サッと内容チェック
- 「since」、「for」、「ago」の違いを明確に理解したい人
- 時間を表す英語表現を正確に使いたい人
- 実践的な例文で学びたい人
英語学習において、時間を表す表現は非常に重要です。特に「since」、「for」、「ago」は頻繁に使用される表現ですが、その違いを正確に理解し、適切に使用することは多くの学習者にとって課題となっています。
1. 「since」の意味と使い方
「since」は、「〜以来」という意味で、過去の特定の時点から現在までの期間を表します。
1.1 基本的な使い方
- I have been studying English since 2010.
- 私は2010年から英語を勉強しています。
「since」は通常、現在完了形や現在完了進行形と共に使われます。過去の特定の時点(年、日付、出来事など)を示す表現と一緒に使用します。
1.2 「since」のその他の用法
「since」は接続詞としても使用されます。
- I haven’t seen her since she moved to New York.
- 彼女がニューヨークに引っ越して以来、会っていません。
接続詞として使われる場合、「since」の後に完全な節(主語+動詞)が続きます。この場合も、主節は通常、現在完了形になります。
2. 「for」の意味と使い方
「for」は、「〜の間」という意味で、期間の長さを表します。
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2.1 基本的な使い方
- I have been living in Tokyo for five years.
- 私は5年間東京に住んでいます。
「for」は、期間を表す表現(3日間、2ヶ月間、10年間など)と共に使用されます。「since」と同様に、現在完了形や現在完了進行形とよく使われます。
2.2 「for」のその他の用法
「for」は、未来の予定された期間を表すこともできます。
- I will be staying in London for two weeks.
- 私は2週間ロンドンに滞在する予定です。
この場合、現在形や未来形と共に使用されます。期間が未来のものであっても、「for」の基本的な意味(期間の長さを表す)は変わりません。
3. 「ago」の意味と使い方
「ago」は、「〜前に」という意味で、現在から過去のある時点までの期間を表します。
3.1 基本的な使い方
- I graduated from university three years ago.
- 私は3年前に大学を卒業しました。
「ago」は通常、文末に置かれ、その前に期間を表す表現が来ます。使用する時制は常に過去形です。
3.2 「ago」のその他の用法
「ago」は、より具体的な時間表現と共に使うこともできます。
- The movie started 10 minutes ago.
- その映画は10分前に始まりました。
分、時間、日、週、月、年など、様々な時間単位と共に使用できます。重要なのは、常に過去のある時点を指すということです。
4. 「since」、「for」、「ago」の主な違い
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4.1 時間の捉え方の違い
- 「since」: 過去の特定の時点から現在まで(開始点を強調)
- 「for」: 期間の長さ(継続時間を強調)
- 「ago」: 現在から過去のある時点まで(終了点を強調)
4.2 使用する時制の違い
- 「since」: 主に現在完了形や現在完了進行形
- 「for」: 現在完了形、現在完了進行形、現在形、未来形など様々
- 「ago」: 常に過去形
4.3 文中の位置の違い
- 「since」: 通常、文中または文頭
- 「for」: 通常、文中
- 「ago」: 常に文末
5. 「since」、「for」、「ago」の実践的な使用例
それでは、これらの違いをより深く理解するために、実践的な使用例を見ていきましょう。
5.1 「since」の使用例
- I have been waiting for you since 3 o’clock.
- 3時からあなたを待っています。
この例では、「since」が過去の特定の時点(3時)を示しています。
- He has been a vegetarian since he watched a documentary about animal rights.
- 彼は動物の権利についてのドキュメンタリーを見て以来、ベジタリアンです。
ここでは、「since」が過去の出来事(ドキュメンタリーを見たこと)を基準点としています。
5.2 「for」の使用例
- We have been friends for over a decade.
- 私たちは10年以上友達です。
この例では、「for」が長期間の継続(10年以上)を表現しています。
- I will be out of the office for two days next week.
- 来週、2日間オフィスを離れます。
ここでは、「for」が未来の予定された期間(2日間)を示しています。
5.3 「ago」の使用例
- I met her five years ago at a conference.
- 5年前の会議で彼女に会いました。
この例では、「ago」が現在から5年前という過去の時点を示しています。
- The earthquake happened a long time ago.
- その地震は長い時間前に起こりました。
ここでは、「ago」が具体的な期間ではなく、不特定の過去を表現しています。
6. よくある間違いと注意点
6.1 「since」と「for」の混同
- 誤: I have been studying English for 2010.
- 正: I have been studying English since 2010.
「since」は特定の時点、「for」は期間の長さを表すことを覚えておきましょう。
6.2 「ago」と現在完了形の誤用
- 誤: I have graduated from university three years ago.
- 正: I graduated from university three years ago.
「ago」は常に過去形と共に使います。現在完了形とは使用しません。
6.3 「for」と「since」の時制の誤り
- 誤: I am living in Tokyo for five years.
- 正: I have been living in Tokyo for five years.
長期間の継続を表す場合、通常は現在完了形や現在完了進行形を使用します。
7. 「since」、「for」、「ago」の覚え方のコツ
これらの表現を効果的に覚えるためのいくつかのコツを紹介します。
7.1 イメージで覚える
- 「since」: 時間の線上で、過去のある点から現在に向かって矢印を引く
- 「for」: 時間の線上で、ある長さの部分に印をつける
- 「ago」: 時間の線上で、現在から過去に向かって矢印を引く
7.2 キーワードと関連付ける
- 「since」: 「開始点」「〜以来」
- 「for」: 「期間」「〜の間」
- 「ago」: 「過去」「〜前に」
7.3 定型表現を覚える
以下のような定型表現を覚えると、使い方が身につきやすくなります。
- Since I was a child
(子供の頃から) - For as long as I can remember
(記憶している限り) - A long time ago
(昔々)
8. 実践演習:「since」、「for」、「ago」の使い分け
以下の演習問題で、これらの表現の使い方を実践してみましょう。
8.1 穴埋め問題
1. I have been working on this project ______ last month.
2. She moved to Canada ______ years ago.
3. We have known each other ______ ten years.
4. The concert ended ______ an hour ago.
5. I haven’t seen him ______ he left for college.
1. since – 過去の特定の時点(先月)から現在まで続いている状況
2. five (for example) – 現在から過去のある時点を示す
3. for – 期間の長さ(10年間)を表す
4. about – 「ago」の前に具体的な時間を修飾する副詞がくることがある
5. since – 過去の出来事(大学に行ったこと)を基準点として使用
8.2 和文英訳問題
1. 私は3年前から英語を勉強しています。
2. 彼女は1週間前に新しい仕事を始めました。
3. 私たちは5時間ずっとここで待っています。
4. 彼は子供の頃からピアノを弾いています。
5. 私は来月2週間休暇を取ります。
1. I have been studying English for three years. / I have been studying English since three years ago.
– 「3年前から」は期間の長さとも開始点とも捉えられるため、両方の表現が可能です。
2. She started her new job a week ago.
– 過去の特定の時点を示すため、「ago」を使用します。
3. We have been waiting here for five hours.
– 継続している期間の長さを示すため、「for」を使用します。
4. He has been playing the piano since he was a child.
– 過去の不特定の時点(子供の頃)から現在まで続いている状況を示すため、「since」を使用します。
5. I will take a vacation for two weeks next month.
– 未来の予定された期間を示すため、「for」を使用します。
9. 応用:他の時間表現との組み合わせ
「since」、「for」、「ago」は、他の時間表現と組み合わせることで、より豊かな表現が可能になります。
9.1 「just」との組み合わせ
- I have just finished reading the book I started a month ago.
- 1ヶ月前に始めた本を読み終わったところです。
「just」は「ちょうど〜したところ」という意味で、現在完了形と共に使われます。「ago」と組み合わせることで、過去に始めたことを今まさに完了したという意味を表現できます。
9.2 「already」との組み合わせ
- She has already been studying for three hours.
- 彼女はすでに3時間勉強しています。
「already」は「すでに〜している」という意味で、「for」と組み合わせることで、予想以上に長い時間が経過していることを強調できます。
9.3 「ever since」の表現
- Ever since I moved to Tokyo, I have been fascinated by its culture.
- 東京に引っ越して以来ずっと、その文化に魅了されています。
「ever since」は「〜以来ずっと」という意味で、「since」をより強調した表現です。過去のある時点から現在まで継続していることを強く示します。
10. まとめ:効果的な時間表現の使い方
「since」、「for」、「ago」の適切な使用は、英語での時間表現を豊かにし、正確なコミュニケーションを可能にします。以下に主なポイントをまとめます:
- 「since」は過去の特定の時点から現在までを表す
- 「for」は期間の長さを表す
- 「ago」は現在から過去のある時点までを表す
- それぞれの表現に適した時制を使用する
- 文脈に応じて適切な表現を選択することが大切
この記事を通じて、「since」、「for」、「ago」の違いについて理解を深めていただけたでしょうか。これらの表現を適切に使い分けることで、より正確で豊かな時間表現が可能になります。日々の英語学習に役立てていただければ幸いです。
- British Council – Learn English – 時間表現に関する様々な練習問題が提供されています。
- Grammarly Blog – 英語の文法や表現に関する詳細な解説が掲載されています。
- BBC Learning English – 実践的な英語学習リソースが豊富に用意されています。
英語の時間表現をマスターすることは、言語全体の習得において大きな一歩となります。「since」、「for」、「ago」の違いを理解し、適切に使用できるようになることは、その重要な一歩です。これからも自信を持って英語学習を続けていってください。時間をかけて練習すれば、必ず上達しますよ。頑張ってください!